もう一度、好きになってもいいですか?

夜。
今日の復習と明日の予習をするために、教科書を広げてみてるけど、文字がまったく頭に入ってこない。

さっき見た碧の姿が、ずっと脳裏に残っているから…だろうか。
……本気の恋ってこう言うことなのかな、なんて大人ぶってみる。

(……あんな真剣な顔、初めて見た)

胸がざわめいて落ち着かない。
そんなとき——スマホが震えた。
インステの通知。

開いてみると、碧からだった。

ドクン、と胸が高鳴る。
心はまるでお祭り騒ぎだ。


_______

aoiblue._.07
《今日、練習見てただろー? 照れるんだけど笑》

saki._.days
《別に……!たまたま通りかかっただけ》

aoiblue._.07
《ふーん? じゃあさ》
《俺、かっこよかった?》

saki._.days
《ちょ……何その自信》
《……でも、まあ。頑張ってたと思うよ》

aoiblue._.07
《“頑張ってた”ってなんだよ! 
 そこは“かっこよかった”でしょーが!》

saki._.days
《言わない!》

aoiblue._.07
《ケチ。じゃあ次の試合、直接見に来て証明してよ》
《俺がどれだけバスケ好きか》

 ̄ ̄ ̄


(……次の試合?)
指が止まる。
本当は行きたい。碧の姿を、もっと見てみたい。
でも、見たらきっと——また心が揺れる。
怖い。
それでも、画面に浮かぶ碧の名前が、心をくすぐって仕方ない。


_______

saki._.days
《……時間が合えば、ね》

aoiblue._.07
《よっしゃ。じゃあ、応援席キープしとく》
《美咲の声援あったら、100点取れるわ》

saki._.days
《そんなわけないでしょ!》

 ̄ ̄ ̄


送信してから、思わず笑ってしまう。
ほんの少し、胸の痛みが和らいだ。

(……やっぱり碧って、ずるいな)

布団に入っても、碧とのやりとりが頭から離れず、夜はいつもより長く感じた。

そして、彼の「隠し事」に触れる予感に、胸がそっと高鳴っていた。