「つまり、ラブレターってことだよね? 誰か好きな人でもいるの?」
「わかってるくせに、聞くのか?」
「へえ、好きな人がいるなんて、知らなかった」
「よく言うよ」
彼女は絵、僕は小説を書き終えると、どちらからともなく立ち上がる。そして、彼女の家へ行き、僕は先にシャワーを浴びる。家賃38000円の1LDKのアパート、彼女の部屋のシャワーはキッチンで水道を使うと、水圧が少し弱くなった。その水圧の弱くなったシャワーで頭のシャンプーを流していると、ああ、僕たちは一緒にいるんだということが実感できた。
シャワーを終えると、彼女は手料理を並べてくれた。彼女は1品豪華主義で、「今日の夕飯はから揚げだよ」と言えば、から揚げだけが、「四川風麻婆豆腐の日だよ」と言えば、激辛麻婆豆腐が大皿に乗って出てきた。白米は1合だけは常に炊いていて、欲しい方が、欲しいだけ食べるといった感じ。基本的には二人とも酒を飲むから、夕飯はそのおかずになりそうなものばかりになる。僕は500mlの発泡酒、彼女は350mlの缶チューハイを飲んだ。



