ずっと夢見てた恋

ー音がまだ、小さい頃ー
『痛っ』
『やめて、買ってくるから、お願い』
私は、いじめられてた。その頃の記憶はあまりなくて、覚えてるのはお父さんが死んで母子家庭になって、いじめられてたということと。
そんな私を助けてくれたヒーローがいたってこと。
『お前ら、ダッサこんな奴に構ってバカじゃないのか、いじめたら距離が遠くなるだけだぞ』
『男だったら、正々堂々いけよ』
それから、私はその子の後を追い回した。
どうしてもお礼がしたくて、どうしても仲良くなりたくて。
今思えばそれが初恋だった。
『ん?』
朝か…久しぶりに見たなぁこと夢
結局その子とは、あまり話せずに終わった。
話せたこといえば
『俺の周り動くな』
『あぁやっぱお前助けたのが間違いだったわ』
『心底興味ない』
うわ…考えれば考えるだけ酷いな
それでも、それを耐えられるほど、その子のことが好きだった。
名前は、清水雷牙?だっけ
多分あってると信じてその子がいるって噂の高校に行くことにした。
それで、今日は入学式‼︎楽しみだなぁ。どうせ覚えてないだろうけど…
まぁそっちの方がいいか。嫌われてたし。
唯一の確信的手がかりといえば、あげたプレゼントの中で、一つだけ受け取ってくれたヘアゴム。
私が、毎日つけてた花の飾りがついたヘアゴム。
そういえば、その時めっちゃ清水雷牙くんの顔赤かったなぁ。熱でおかしくなって受け取ってくれたのかな。
まぁいっか。