そしてもう少し二人で歩いていく。
「ねえ」
「どした?」
「一つ聞いてもいい?」
ずっと気になっていた事だ。
「長谷川君はなんでああいう形で、わたしをデートに誘ったの?」
「っ」彼は即座に顔を赤くさせた。
「悪いかよ」
なんだかその顔が可愛らしい。
「駄目とは言ってないけど。どうしてあんな感じで誘ったのかなって」
「忘れてそうだったから」
彼の顔がさらに紅潮していく。
「意気地なし」
そう、わたしが冗談交じりに言うと、「悪かったな」と帰ってきた。
そこで、彼の足が止まる。
「見てみろ」
その言葉に、わたしは上を見上げる。
そこにはきれいなイルミネーションがあった。
「きれいだね」
「ああ、きれいだ」
そして、二人で、イルミネーションを堪能した。
その時間は、わたしにとってまさに幸せな時間。と言っても過言じゃなかった。



