やけっぱちのクリスマス

 私の好きな人は、同じ大学でありながら、名前すら知らない人。
 何だか、色々と計算違いの青春⋯⋯。

 元々、私は人生に多くは望んでいなかった。
 しかし、東京都内の有名女子大に合格し、もっと弾けたキャンパスライフを送るはずが、
「大した志もないくせに、都心の女子大なんてやめて頂戴!どれだけお金かかると思ってるの!」
 母の一言により、滑り止めで受けた仙台の大学に進学することになってしまった。

 志望校に落ちたなら仕方ないが、受かったのに滑り止めに行くというのも不毛な話だ。
 そんなこともあり、私のキャンパスライフは滑り出しから冴えなかった。
 友達にも、勉強にも、困っているわけではないのだが、何かが違う。
 一人暮らしを始めたとはいえ、地元に居た頃と大して代わり映えしないまま、四年が過ぎてしまいそう⋯⋯。

 そう思っていたのに、初めて彼の姿を見た時、褪せた青春が一気に色づいた。