婚活アプリで出会った人が運命の人だった

食事が終わり、高杉が会計を済ませた。
レストランを出ると、夜の冷たい空気が肌に触れ恵はぶるっと震えた。

「送りますよ」

高杉が鳴れているように言った。

「いえ、大丈夫です」

恵が慌てて断る。

「遠慮しないでください。こんな時間ですし」
「本当に大丈夫ですから」

恵は一歩後ずさった。
高杉がじっと恵を見る。

「そうですか。では、気をつけて」
「はい。ごちそうさまでした」

恵が頭を下げ、そのまま高杉の顔を見ずに立ち去って行った。


駅に向かって歩きながら、恵はスマートフォンを取り出した。
婚活アプリを開く。
Tさんが駅前で待っている時のメッセージ画面を開いた

(やっぱり……高杉さんだった……)

恵は立ち止まった。

(もう連絡はこないかな、まあ、バレてなかったし、このままIさんは消えよう)

アプリを閉じてスマートフォンを握りしめた。