その夜。恵のマンションでは。
リビングのソファに、タオルを頭に巻いた恵が寝転がっていた。
ピコンという音。
テーブルの上に置いてあるスマートフォンの画面が光る。
恵は起き上がり、スマートフォンを掴んだ。
『Tさんからメッセージが届いています』
「今日は早い」
ニマニマしながら恵がメッセージを開く。
『今日は久しぶりに早く帰ってこれました。だから何かってわけじゃないんだけど、色々Iさんの話を聞けたら嬉しいです』
恵は少し考えて、文字を打ち始めた。
『Tさん、こんばんは。私の話ですか? ではちょっと話を聞いてもらっていいですか。実は私、すごくきつい性格なんです。いきなり引きます? 会社でも思ったことを伝えないと気がすまなくて。この前、それでトラブルが起きました。こうやって文で打つと冷静になるのにその時は言わなきゃ負ける!みたいな気持ちが湧いてきちゃって。こんな自分がすごく嫌で』
恵は送信ボタンを押して、ため息をついた。
(会ったこともない人に私は何を話しているのだろう。いや、会ったことないから、これから会うこともないから話せるのか)
すぐにピコンと音がする。
恵は驚いてスマートフォンを見た。
Tさんから返信が来ていた。
『なるほど。でも、ご自分でそれが嫌だとわかっていることが大切じゃないですか? ちなみに俺も言っちゃう派です。では明日からお互いに言う前に深呼吸してみましょうか』
恵がふふっと笑う。
またピコンと音がした。
『あの、よかったら会いませんか?』
「え」
恵は思わずソファから立ち上がった。
その拍子に頭からタオルが落ちる。
「会う? どうしよう……」
再びピコンと音がする。
『嫌ですか?』
恵はスマートフォンを見つめたまま、ソファに力が抜けたように座り込んだ。
指が震える。
画面を見つめたまま、何も打てない。
(会いたい……でも)
恵は自分の加工写真を見た。
まったくの別人。
(会えるわけない……)
恵は深く息を吐いた。
リビングのソファに、タオルを頭に巻いた恵が寝転がっていた。
ピコンという音。
テーブルの上に置いてあるスマートフォンの画面が光る。
恵は起き上がり、スマートフォンを掴んだ。
『Tさんからメッセージが届いています』
「今日は早い」
ニマニマしながら恵がメッセージを開く。
『今日は久しぶりに早く帰ってこれました。だから何かってわけじゃないんだけど、色々Iさんの話を聞けたら嬉しいです』
恵は少し考えて、文字を打ち始めた。
『Tさん、こんばんは。私の話ですか? ではちょっと話を聞いてもらっていいですか。実は私、すごくきつい性格なんです。いきなり引きます? 会社でも思ったことを伝えないと気がすまなくて。この前、それでトラブルが起きました。こうやって文で打つと冷静になるのにその時は言わなきゃ負ける!みたいな気持ちが湧いてきちゃって。こんな自分がすごく嫌で』
恵は送信ボタンを押して、ため息をついた。
(会ったこともない人に私は何を話しているのだろう。いや、会ったことないから、これから会うこともないから話せるのか)
すぐにピコンと音がする。
恵は驚いてスマートフォンを見た。
Tさんから返信が来ていた。
『なるほど。でも、ご自分でそれが嫌だとわかっていることが大切じゃないですか? ちなみに俺も言っちゃう派です。では明日からお互いに言う前に深呼吸してみましょうか』
恵がふふっと笑う。
またピコンと音がした。
『あの、よかったら会いませんか?』
「え」
恵は思わずソファから立ち上がった。
その拍子に頭からタオルが落ちる。
「会う? どうしよう……」
再びピコンと音がする。
『嫌ですか?』
恵はスマートフォンを見つめたまま、ソファに力が抜けたように座り込んだ。
指が震える。
画面を見つめたまま、何も打てない。
(会いたい……でも)
恵は自分の加工写真を見た。
まったくの別人。
(会えるわけない……)
恵は深く息を吐いた。
