ここ、ナヴァル=ティア城には合言葉を唱えることで、泉周辺の景色を映し出す『時見の鏡』というものがある。この鏡は元々セファーが管理していたものだったのだが……ある日、彼がその鏡をアダンの元へ持って訪れたのである。
彼に「神託だ」と言われて大聖堂へセファーと共に向かえば、そこに女神デューデから神託を告げられた。
それが『神託とは異なる人物が泉へ入水する』というものだった。
アダンは女神デューデの言葉に目を見開く。思わずセファーを一瞥すると彼も驚いているらしく、口をあんぐり開けていた。
呆然としているアダンに女神デューデが告げたのは、『彼女を助けてほしい』という嘆願。一方で、セファーには『書庫の奥にある宝物庫の許可』。
セファーへと伝えられた言葉にアダンは首を傾げる。書庫の奥に宝物庫など、彼は聞いたことがなかったからだ。
不思議そうにセファーを見返すと彼に招かれ、アダンは書庫の奥にある本棚のひとつに立つ。
セファーが一番上のある書物を前に倒すと、ゴゴゴ――という大きな音が響き、本棚が扉のように手前に開いたのだ。
二千年住んでいて知らないことがあるとは、と呆気に取られるアダン。そんな彼にのんびりとした声でセファーが話しかけてきた。
「ここは僕の領域だからさぁ〜。隠蔽するのは得意なんだよねぇ」
彼は欠伸をしながら話す。口を半開きにしているアダンを尻目に、セファーは光で先が見えない扉に近づき、手を伸ばしている。
光の中から彼が手を戻すと、青い光を宿した大きな宝石が付いている首飾りが握られていた。どのような仕組みになっているのか、と頭を捻るアダンにセファーは笑いながら言った。
「まあ、ここには入れないと思うけどさぁ、入らないように気をつけてよぉ〜? 入ったら出て来られないからねぇ〜。ああ、でも、もうアダンにはそんな機会はないかもね」
「どういうことだ?」と訊ねる前に、背後から名前を呼ばれた。アダンは後ろを向くと、そこにいたのは警備隊の隊長であるエルマーだ。
神託後、アダンはセファーの了承を得てレナートへ『時見の鏡』を預けていた。レナートとエルマーで泉周辺を確認するよう指示を出していたのだ。どうやら相当急ぎの用事なのか、足の速いエルマーが肩で息をしている。
「アダン! 神託通り赤い光だった!」
彼に「神託だ」と言われて大聖堂へセファーと共に向かえば、そこに女神デューデから神託を告げられた。
それが『神託とは異なる人物が泉へ入水する』というものだった。
アダンは女神デューデの言葉に目を見開く。思わずセファーを一瞥すると彼も驚いているらしく、口をあんぐり開けていた。
呆然としているアダンに女神デューデが告げたのは、『彼女を助けてほしい』という嘆願。一方で、セファーには『書庫の奥にある宝物庫の許可』。
セファーへと伝えられた言葉にアダンは首を傾げる。書庫の奥に宝物庫など、彼は聞いたことがなかったからだ。
不思議そうにセファーを見返すと彼に招かれ、アダンは書庫の奥にある本棚のひとつに立つ。
セファーが一番上のある書物を前に倒すと、ゴゴゴ――という大きな音が響き、本棚が扉のように手前に開いたのだ。
二千年住んでいて知らないことがあるとは、と呆気に取られるアダン。そんな彼にのんびりとした声でセファーが話しかけてきた。
「ここは僕の領域だからさぁ〜。隠蔽するのは得意なんだよねぇ」
彼は欠伸をしながら話す。口を半開きにしているアダンを尻目に、セファーは光で先が見えない扉に近づき、手を伸ばしている。
光の中から彼が手を戻すと、青い光を宿した大きな宝石が付いている首飾りが握られていた。どのような仕組みになっているのか、と頭を捻るアダンにセファーは笑いながら言った。
「まあ、ここには入れないと思うけどさぁ、入らないように気をつけてよぉ〜? 入ったら出て来られないからねぇ〜。ああ、でも、もうアダンにはそんな機会はないかもね」
「どういうことだ?」と訊ねる前に、背後から名前を呼ばれた。アダンは後ろを向くと、そこにいたのは警備隊の隊長であるエルマーだ。
神託後、アダンはセファーの了承を得てレナートへ『時見の鏡』を預けていた。レナートとエルマーで泉周辺を確認するよう指示を出していたのだ。どうやら相当急ぎの用事なのか、足の速いエルマーが肩で息をしている。
「アダン! 神託通り赤い光だった!」


