君に届けたい想い

「いや、いいよ。気にするなって。」


「本当にゴメン...」


「フフッ。 愛実は優しいね……」


そう言って翼君が家のドアノブに手をかけたときだった。


「バカッ!!! アタシの言った事、覚えてなかったの?!」


この声―。 アタシが聞き間違える事もない親友の…、そう、くるみの声だった。


「く、くるみ……??」


状況が読みとれない翼君と私。


どうしてくるみがここに……??


「ね、くるみ…どうしてここ………」

「ゴメン、愛実。」


「えっ??!」


くるみが私の話を最後まで聞かないで言い出すのは、これが初めてだったのかも知れない。