「殿下がこうなったのは確か十年前と伺ってますが」
「ええ。十年前の誕生日の翌日からよ。それまでは剣を握って朝から晩まで稽古をしていたり、勉強をしたりと活発に動く子だったの。プレゼントの開封中に突然倒れてそれから……」
それが突然。と、なると原因はそのプレゼントの中にあったのかもしれない。ただ物に付与し持ち主を呪う行為は十年も続くような凄い物じゃないはず。長くても三年が限界。
呪いを付与し続けない限り。
「殿下はいつもこの部屋に?」
「いいえ。あの子の部屋に女性を入れる訳にはいかなくて移動してきたの」
なるほど。だから必要な物だけ揃えられているのね。
「陛下。人払いをお願いしてもよろしいでしょうか?」
「構わん」
それだけ言うと殿下は近くに居た執事に目配せし、皆を退出させた。
扉が閉まったと同時に『パチンッ』と指を鳴らす音が聴こえ、何事かと音が鳴った方を確認すると陛下が魔法を使って外に声が漏れないようにしたと言う。
私たちが使う聖神力とは違い、魔法ってのは皇族以外は使えない。ましてやそれを見れる機会だって少ないのだ。まさかこんな貴重な体験ができるなんて。
「それで。人払いをさせた理由はなんだ」
「身内に敵が潜んでいると思ったからです。突然このように体調を崩して寝込むような場合、病気なら聖女が見逃すわけありません。その聖女がお手上げなら残るは呪いです。九歳の誕生日の次の日にとなると、怪しいのはそのプレゼントですね」
幼いころからずっと身近にある物はないかとお二人に尋ねると少しの間考え、皇后様が『あ』と声を上げる。
「確かクマのぬいぐるみを気に入ってずっと飾っていたような気がするわ。珍しい赤い色の宝石がついた可愛らしいクマが」
赤い宝石?
そんな珍しい宝石はなくはないが、クマにつけるよりも指輪やネックレスにする人が多いはず。殿下の誕生日だからとクマのぬいぐるみつけるような代物ではないはずだけど。
「よろしければ案内していただけないでしょうか?」
「いや。未婚の女性を部屋に入れるのはさすがにな。ここに持って来させよう」
「それは止めておいた方がいいかと。触れた瞬間呪われますよ?」
もしかしたら殿下の部屋を掃除する方など、近しい人が呪いの影響を受けているかもしれない。
「ええ。十年前の誕生日の翌日からよ。それまでは剣を握って朝から晩まで稽古をしていたり、勉強をしたりと活発に動く子だったの。プレゼントの開封中に突然倒れてそれから……」
それが突然。と、なると原因はそのプレゼントの中にあったのかもしれない。ただ物に付与し持ち主を呪う行為は十年も続くような凄い物じゃないはず。長くても三年が限界。
呪いを付与し続けない限り。
「殿下はいつもこの部屋に?」
「いいえ。あの子の部屋に女性を入れる訳にはいかなくて移動してきたの」
なるほど。だから必要な物だけ揃えられているのね。
「陛下。人払いをお願いしてもよろしいでしょうか?」
「構わん」
それだけ言うと殿下は近くに居た執事に目配せし、皆を退出させた。
扉が閉まったと同時に『パチンッ』と指を鳴らす音が聴こえ、何事かと音が鳴った方を確認すると陛下が魔法を使って外に声が漏れないようにしたと言う。
私たちが使う聖神力とは違い、魔法ってのは皇族以外は使えない。ましてやそれを見れる機会だって少ないのだ。まさかこんな貴重な体験ができるなんて。
「それで。人払いをさせた理由はなんだ」
「身内に敵が潜んでいると思ったからです。突然このように体調を崩して寝込むような場合、病気なら聖女が見逃すわけありません。その聖女がお手上げなら残るは呪いです。九歳の誕生日の次の日にとなると、怪しいのはそのプレゼントですね」
幼いころからずっと身近にある物はないかとお二人に尋ねると少しの間考え、皇后様が『あ』と声を上げる。
「確かクマのぬいぐるみを気に入ってずっと飾っていたような気がするわ。珍しい赤い色の宝石がついた可愛らしいクマが」
赤い宝石?
そんな珍しい宝石はなくはないが、クマにつけるよりも指輪やネックレスにする人が多いはず。殿下の誕生日だからとクマのぬいぐるみつけるような代物ではないはずだけど。
「よろしければ案内していただけないでしょうか?」
「いや。未婚の女性を部屋に入れるのはさすがにな。ここに持って来させよう」
「それは止めておいた方がいいかと。触れた瞬間呪われますよ?」
もしかしたら殿下の部屋を掃除する方など、近しい人が呪いの影響を受けているかもしれない。
