マーガレット

「お前はリリアナの姉だろ? あの子が我が儘を言っても叶えてあげるのが姉というものだろう? それなのに悲しませるようなことばかりして」

 東に滞在している時に届いていた義父からの手紙を読んで、内容的にどうでもいいと判断した私は返事すら返さなかった。

 義妹が可哀想だとか、義妹のために協力しろとかそう言った内容ばかりでうんざりしていたんだけど、無視を決め込んでいたらとうとうお義父様が皇宮まで乗り込んできた。

 リリアナと一緒に。

「お義父様。リリアナは統括になったんです。軽率な行動一つ取るだけで簡単に非難されるような立場なので、私よりも義妹をどうにかした方が良いと思いますけど」

「お姉様は第二皇子と婚約した私の立場が羨ましいんですよね? だからそうやって突き放そうとする」

 どこら辺が羨ましいか逆に教えてほしい。私の中で第二皇子は皇子という立場を理解していない我が儘な人だから、羨ましくもなんともない。
 むしろお似合いだと思う。似た者同士ってやつで。

「羨ましいと感じたことは一度もないわ。それに第二皇子との婚約についてそれは正直どうでもいい」

「嘘よ。だって第二皇子を治したのはお姉様だから独り占めしたいに決まっているわ」

 頭の中でお花でも育てているのかしら?
 まったく意味が分からない。

 第二皇子は十九歳でリリアナは十四歳。十六歳の私の方が歳が近いからって理由なら分かるけど、治療できたからって理由は全く分からない。

「見苦しいぞマーガレット。妹の婚約者を取ろうとするなど」

 お父様は現実が目に入らない人なの?

「いつ私が殿下を取ろうとしましたか? それに見苦しいのはどちらです? 統括にもなってフラフラ出歩いているだけではなく、皆が仕事をしている時間に父親と私の元に来るなど」

 義妹が調合している所は見たことがないと師匠が言っていた。
 殿下と一緒にいる所ばかり見ていると。