マーガレット

「明日から四日間。帰るまではこの教会の不足している薬の調合をお願いします。私もライの治療が終わり次第行うのでゆっくりでも構いません。時間に余裕があるので休憩しながら行ってください」

 患者を家に帰した夜。食堂に集まった他の聖女にこれからのことを伝えた。

 滞在期間は一週間だから残りの四日間で不足分の薬を調合し、教会の掃除など手伝えることは手伝う。解熱剤と吐き気止めがかなり減っているからそれらを作らないといけないが、そんなに難しい物ではないからゆっくりしていても大丈夫、と。

「顔の治療ですよね? それって私たちも見学したら駄目でしょうか?」

「あそこまでの火傷の痕は中々ないので今後の参考にしたいんです」

「本人が許可してくれたら私は構いませんが」

「本当ですか! では食事を運ぶ時にお聞きしても?」

「もちろん。本人の意思が重要なので」

 あそこまでの火傷の治療なんて珍しいから許可が取れたら皆見学するらしい。

「そう言えば今朝マーガレット様宛に手紙が届きましたよ。これなんですが」

 差し出された手紙には差出人の名がなく、ただ『マーガレット・リリア』としか記されていない。
 誰から送られてきたか分からない手紙を渡すのはどうかと思ったらしい彼女たちは、診察が終わるまで預かってくれていたらしい。

「ああ。実家からですね。この書体はお父様です」

「そうだったんですね。知らない人からの危ない手紙かと思って躊躇してました。すぐに渡せばよかったですね」

 いや躊躇してくれた方が私的には良かった。
 どうせ内容は義妹の話か皇宮聖女になったのならあーだこーだと書かれているに違いない。それか第二皇子の婚約についてとか。

「気にしないでください。それでは明日、本人の許可が取れ次第皆さんの前で治療をしますね」

「はい! 楽しみにしています」

 朝からバタバタと忙しかったこの日。久しぶりにゆっくりとした夜の時間があり、朝までぐっすりと寝た。