マーガレット

 皇宮に着くと一日休んだ後、私たち三人の内の一人が殿下の治癒に入った。殿下の体調も考え、治療に使える時間は一人六時間。
 六時間もあれば治癒は終わると意気込んでいた一人目はあっさりと時間になり、教会へ戻ってしまった。

 特に悪い事も良い事も起きなかったから追放にはならなかったらしい。

「こちら南から取り寄せた茶葉を使い焼き上げたマフィンになります」

「ありがとうございます」

 私が最後だったからか、こんなまったりとした時間をもう三日も続けている。
 理由は一人六時間と決められていた時間を二人目が数日に分けて使っているからで、その間私はもてなされている状態だ。

 たった数日だけど動いていないからそろそろ運動しないと危ないかも。

「そう言えばそろそろですね」

「だね。昨日の時点で残り三十分だったから十分もないかな?」

「マーガレット様との時間が有意義すぎてもっとお仕えしたかったんですが」

 そう言いながら私と一緒にお茶を楽しんでいる侍女のリア。ここ数日彼女のケアをしてあげたからか肌も髪も綺麗になり、他の侍女に自慢しているとか。
聖女が作る化粧品は一級品だから、私が使っている時にお裾分けしたらそうなっただけなんだけど。

「私もここの生活気に入ってたんだけど、まぁあの二人が無理なら私も無理かも」

 ――コンコンコン
 なんて世間話をしていたらドアがノックされた。

「マーガレット・リリア様。明日午前十時にお迎えに上がります。準備を整えておいてください」

「分かりました」

 どうやら二人目も駄目だったみたい。
 あれだけ時間をかけていたから何か分かったのかもって期待していたんだけど、余程難しいらしい。

「頑張ってくださいね?」

「できる限りのことはやるよ」

 それなりに。