マーガレット

「治療どうします? ご希望なら数日かけてその火傷の痕も消しますが」

「は? もう終わったんじゃないのか? あれだけ辛かった熱も下がっている」

 そう言えば口の中に無理やり薬を流し込んだって言うの忘れていた。

「それは薬だけの効果なので数時間しか持ちません」

「薬でこのレベルなのか? 熱すらすぐに下げれないゴーラルの聖女とは全然違うな。普通にすごい」

 本気で感動している彼は体を起こしベッドの上に座ると、全身の火傷の痕を私に見せた。
 彼の口から出たゴーラルの聖女の評価を基に考えると、この火傷を治すには無理がある。正直どうやって生き残ったのか分からない。

 彼の火傷はそれくらい酷く、痛々しい。

「診察して貴方に合った治療をしなきゃいけないんですが」

「どうすればいい?」

「右手を私の右手に置いてください」

 差し出した手のひらにすぐ彼は手を置き『それで』と、少しだけ興奮気味な様子で尋ねてくる。
 あの重症者の中にいた男の子のように。

「ど、どうだ?」

 火傷はどうにかなりそう。発熱は右脇腹の怪我を雑に治療したのが原因。
 と、彼に伝えると驚いた表情で一言『すげぇ』と口にした。

「傷は何も言わなかったのに」

 巻いてある包帯の下は治りかけなのかと思ったら、中途半端な治療で炎症が起きている。
 そう言えば傷のことは報告なかったけど、私と同じで治りかけだって思ったのかな? 拒否していたし、力が上手く伝わらなくて気づかなかったのかもしれない。

「まずはその傷を治してから治療に入らないといけません。今すぐ取り掛かっても?」

 あれだけ嫌がっていた聖女に対し頼むと力強く手を握り、お願いされた。