マーガレット

「カリーナ様。このまま誰も立候補しなければ終わらなそうなので、推薦という形でこの中から選ぶのはどうでしょうか? そうですね、例えば伯爵という申し分ない家柄と歴代聖女の中でもかなり高い聖神力を持っているマーガレット・リリアなんてどうでしょうか?」

 ほらきた。
 面倒だから適当な理由をつけて下っ端を向かわせようとする考え。推薦と言い張る彼女だって私と変わらないくらいの力を持っているはずなのに。

「面白いな。確かにマーガレット・リリアは他の聖女とは比べ物にならないセンスと聖神力を持ち合わせている。どうだ? やってみないか?」

 カリーナ様が私の方へ視線を向けると前に座っていた聖女までもがこちらを向き、視線で『行け』と投げかけてくる。

「私たちも彼女を推薦します。入ったばかりで大変だとは思うけど貴女の代の子たちのサポートもするし、ね?」

 言葉は優しくても睨みつけるような彼女たちの視線は普通に怖い。

「分かりました。これも勉強だと思い行きます。代わりの責任者は」

「それはこちらで決めておこう。すまないな。マーガレット・リリア」

「いえ。貴重な場を設けていただきありがとうございます」

 入ったタイミングが悪いのか、陛下からの命令のタイミングが悪いのか。それとも私の運が悪いのかは分からないけど最悪の事態を予想し、簡単に荷物をまとめておくことにした。

 皇宮への出発は三日後だとカリーナ様は言い、その場は解散となった。

「悪かったわね。マーガレット・リリア。何かあったら私に連絡して。隣国に嫁いだ妹に協力してもらって生活できるようにするから。推薦したんだからそれくらいはしないとね」

「ありがとうございます」

 押し付けた割には、最後まで面倒をみると言った彼女に礼を言うと『それじゃあ』と言ってあっさり帰ってしまった。
 この日から三日間。私は出来ることをし、荷物をまとめて皇宮へと向かった。

 選ばれた二人と共に。