これが正真正銘最後の恋

ホームに降りた瞬間、
さっきの一年生が
少し離れた場所で友達と話しているのが見えた。

目が合ったわけじゃない。
ただ、同じ空間にいるだけ。

私はそのまま歩き出した。

背筋を伸ばして、

乱れないように、

綺麗なままで。

(……今日も、ちゃんとできる)

綺麗に演じられる。

そう思いながら、改札へ向かった。

そのときはまだ、あの一年生の男の子が
私の毎日を変えるなんて思ってもいなかったけれど。

今になってはこれは運命だったのかもしれない