地獄で私と二人きり

「とりあえず、力を見せてくれないかな?」

 伊乱木さんからの提案で、それぞれの能力を見えあうことになった。

 もちろん、全力でやると国が崩壊しかねないから、東村さんの私有地である、大きな森でやることになった。

 …「東村さんの私有地」にツッコみたい気持ちは、一旦落ち着けて。

 でも、どうやって行くかって問題があるんだけど…

「では、早速私の能力ですね」

 東村さんの能力…ワープ。

 行っことがある場所限定でワープすることができる。

 日本のあちこちに別荘があるくらいのお金持ちで、このバーも趣味で作ったらしい。

「行きますよ」

 東村さんのその一言を言い切ったあとすぐに、私たちの足元が光だし、次の瞬間には、緑の木に囲まれていた。

「それでは、優雅からお願いします。」

 東村さんからの言葉に伊乱木さんが「おう」と返すと、伊乱木さんの頭から、角が生えてくる。

「俺は鬼化だ。流石に蓮斗には敵わないが、身体強化と、運動能力が高くなる。」

 結構強そう…

 素早く、硬く、強くを追求された力、鬼化。

 前世も反映されるらしいし、結構癖が強いんだろうな…

「俺は…やんない方がいいよな。」

 力の調整をするために、色々トレーニングしているらしいけど、やな予感しかしないからやめといてもらうことにした。

「理沙にいいところ見せたかった…」

 私よりも大きな体で、ショボンとするとか可愛い…

 私は、いつもかっこいいと思ってるんだけどな…

「私は、こんな感じですね」

 私がそう言って、能力を発動すると、私の目は紅くなり、黒色の翼が生え、ふわりと空中を舞う。

 私は唇を思いきり嚙んで、血を垂らす。

 その血は赤い大きな鎌となる。

 強そうだけど、可愛くはないよね…

 流石に、怖いかな…幻滅されたらどうしよう…

 蓮斗に嫌われたら、どうしよう…

「…綺麗だ。」

 そんな私の心配は、ことごとく崩れた。

 優しい微笑みで、わたしをじっと見つめる蓮斗は、わたしに見惚れるように、わたしに近づき、手を伸ばす。

 私はその手に向かって、蓮斗の胸に飛び込むように翼で突っ込む。

 すると、私を優しく包み込み、私の頭を蓮斗は撫でる。

「綺麗だ、理沙。俺の理沙。誰よりも、美しい。」

 蓮斗の言葉に安心して、私は蓮斗の手の中で、意識が静かに薄れていった。