【中編】ベストフレンド


「亜里沙の望みは拓巳が幸せになることだったから…私が亜里沙の気持ちを知っていると解ったら、きっと激しく自己嫌悪に陥ったり、今回のような行動を取ってしまうんじゃないかって、不安があったのよ。
だけど、こんなことになるなら、もっと早くに亜里沙に言うんだったわ。
『私が応援するから拓巳に告白しろ』ってね」

「陽歌…」

「いい? 亜里沙が帰ってきたら、今度は私が拓巳と亜里沙を絶対にくっつけてやるんだからね。
拓巳も気持ちの整理つけて覚悟しておきなさいよ?」

勢いに呑まれコクリと頷いた俺に陽歌は嬉しそうに笑って、すぐに元同僚たちに連絡を取ってみると言い残すと大急ぎで帰っていった。

駆け出す後姿から1分1秒でも惜しいという気持ちが伝わってきて、俺には力強い相棒がいるのだと、不安だらけだった心に渇を入れられた気がした。

おそらく心に思う事も俺に言いたいことも沢山あるだろうに、変わらぬ態度で友人と接してくれる陽歌に、今までとはまったく違う気持ちが込み上げてくる。


ありがとう陽歌。


おまえに恋していた気持ちは嘘じゃないけど、今は素直に思えるよ。

おまえは俺のベストフレンドだってな。