腕の中で細く震えた白い肌を愛しいと感じて、亜里沙を初めて女として大切にしている自分に気付いた。

それまで築いてきた『親友』の枠を越えても、亜里沙を手放したくないと思っている自分に改めて向かい合った。

陽歌を失った寂しさを亜里沙で埋めようとしている訳じゃない。

俺達を繋いでいた『陽歌』という存在を失って、亜里沙がこれまでどれだけ俺を支えていたかを知った。

亜里沙の存在が無くなったら俺は俺でいられなくなる。

言いようの無い不安が付き纏い、孤独感が襲ってくる。

まるで親鳥を見失った雛のように、彼女の姿を求めて、自然に視線が彷徨ってしまう。