【中編】ベストフレンド


目覚めて亜里沙が腕の中にいなかった朝にも感じた、訳の分からない苛立ちが改めて込み上げてくる。

『朝になったら忘れて…』

亜里沙はそう言ったけど、忘れられる筈なんてなかった。

亜里沙の悲しげに伏せた眼差し。

何かを言いたげに躊躇いがちに開いた唇。

頬を伝った綺麗な涙。



何もかもがまるで夢だったのではないかと思う。

だけど、決して夢なんかじゃない。