「…さ、ぁりさ… 亜里沙。
どうしたんだ。ボウッとして」
拓巳の呼ぶ声にハッとして現実に引き戻される。
自分の考えに深く囚われていて拓巳の呼びかけにも気付かなかったらしい。
ダメじゃない、こんな事じゃ拓巳が変に思うでしょう。
いつもどおりの明るい亜里沙でいないと…。
「あ…あははっ。
ほら、こんな場所滅多に来ないからちょっと緊張したのかな?」
出来るだけいつも通り明るく振る舞ってみる。
「そっか、ならいいんだけど、こんな場所は嫌いだったかなと思って」
「あ、ううん。そんな事無い。
お洒落で素敵な所よね。お料理もとても美味しいし。
贅沢を言うなら素敵な彼と来たいわね」
「それって、俺は素敵じゃねぇってことかよ」
「あら、誰もそんなこと言ってないじゃない。
スポンサーの機嫌を損ねるような事私が言うと思ってるの?」



