…俺って最低かもしれないな。


罪悪感が込み上げて、彼女の為に何かしたくなった。


「なぁ、今夜俺に付き合えよ。飲みに行こうぜ」

「え? でも…多分遅くなるよ」

「遅くなったっていいじゃないか。
タクシーで送ってやるよ。
付き合っているヤツがいないなら誰に気兼ねすることもなく飲みに誘ってもいいだろ? 陽歌の結婚を祝って二人で飲もうぜ」

「陽歌の結婚祝い?
本人不在でかぁ。ふふふ…いいわね。
酒の肴にしてやりますか?」

「ああ、今晩くしゃみが止まんねえだろうなぁ、陽歌のヤツ」


詫びのつもりで誘った食事だったが、無邪気に笑う亜里沙の顔を見ていると、何だか嬉しくなって今夜が楽しみになってきた。