「……陽歌は本当に幸せなのかしら?」 「え?」 「だって、晃先生は今も奥様をとても愛しているわ。 もしかしたら陽歌の中に彼女の記憶があるから、先生は結婚したんじゃないの?」 「…もしかして、それで式のとき溜息なんて吐いていたのか?」 花嫁の美しさに感嘆するものとは少し違ったニュアンスを感じた溜息。 あの時、結婚式の幸せな雰囲気とは相反するものが滲んでいた気がして、とても気になった事を思い出した。 肯定も否定もしなかったが、黙って視線を外したのを、俺は答えだと受け止めた。