「……私…拓巳が好きよ。
親友だなんて言ってずっとあなたを偽ってきた。
本当にごめんなさい。
…私はずっとあなたの事愛していたの。
あなたの傍にいたくて嘘を…」

亜里沙の告白は俺に対する謝罪でもあった。

ずっと辛い思いをさせてきたのは俺なのに、亜里沙が謝るなんてそんなことさせちゃいけないと思った。

それに俺が欲しいのはそんな言葉じゃないんだから。

「それはもういいよ。
そんな言葉より、もう一度愛してるって言って。
その部分だけ聞きたい」

俺を見上げた亜里沙は、今までの俺の記憶の中で一番綺麗だった。

俺だけに向けられる幸せな笑顔。

それは輝かんばかりの美しさで俺を魅了した。

「拓巳…愛しているわ。
愛してる。愛してるっ。誰よりも愛してる。
世界で一番愛しているわ」

耳元で何度も繰り返される愛の言葉に心が凪いでいく。

亜里沙が俺の傍にいてくれる。

ただそれだけで、こんなにも穏やかで、こんなにも優しい気持ちになれる。

この細い身体と彼女の中に芽生えた新しい命を俺が護っていきたい。

これまで悲しませた分まで、きっと幸せにしてみせる。


心からそう思った。