「フン…まだそんな意地を張るわけだ。
嘘つきの意地っ張りめ。素直でないヤツには制裁が必要だな。
俺にも家族にも陽歌にも…みんなにもたくさん心配かけやがって。おまえは終身刑だ」

「…なによ、その終身刑って」

「細河亜里沙。おまえはこれから一生、梶という名の鎖に繋がれて、俺の腕の中っていう監獄から出られないんだよ」

「はぁ? 何を訳のわかんないことを言ってるのよ」

「亜里沙…おまえを失ってやっと解った。
俺にはおまえが必要なんだ」

「拓巳…何を言って…」

亜里沙が腕の中で震えているのが伝わってくる。

この細く頼りない身体でどれだけの想いと苦しみを閉じ込めてきたんだろう。

幸せにしてやりたい…。

亜里沙はきっと俺が誰よりも幸せにしてみせる。

「結婚しよう。俺と一緒に生きて欲しい」

腕の中で亜里沙の身体がビクッと大きく反応した。

そのまま俺から目を逸らし身体を捻って腕の中から逃げ出そうともがき出す。



どんなに抵抗しようと、放してやるつもりは無いぞ。