逃がすものか――。



頭で考えるより、体は無意識に動いていた。



「待てよ亜里沙!」



俺の呼びかけに、信じられないといった表情で振り返る亜里沙。


愛しさが込み上げてくる…


決して離さない。


二度と失うものか。



亜里沙…愛している―