その時、部屋の明かりが消えた。 眠ったのだろうか…。 どうか穏やかな夢を見ていて欲しい…。 そう思ったときだった。 病院から出てくる人影に、何気なく目を向けた俺は、ドアを開けて出てきた女性に目を見張った。 闇に身を隠すようにスルリとドアから抜け出すと、静かに夜道を歩き出す見覚えのある姿。 亜里沙――? 周囲を気にしながら、足早にペンションとも駅とも反対の方向へ歩き出そうとする。 亜里沙がまた俺の手から逃げ出そうとしている事を直感した。