あの人に会いにいく。

 謎に自慢する竹田先輩に苦笑しながら、竹田先輩のせいでさっきまでの和気藹々とした空気が一瞬で凍りついたとわかった。
 本当に、この空気をどうしてくれるんだと苛立ちまでも覚える。


 空井先輩とその他諸々の先輩方が流石にヤバいと察したのか、竹田先輩を抱えて室内から出ていく。
 何で出て行かなきゃいけないんだーとか、外寒いじゃねぇかよーなどと大声で叫ぶ声が聞こえてきた。


 本当にあの人は今年二十になる人かよと心の底から思う。まだ他の連中らの方がよっぽど大人に見えたのは、きっと竹田先輩を過小評価し過ぎているせいなのだと感じた。


「いや〜。ほんと、あの人ってデリカシーないよなー」


「そういうお前もデリカシーないだろ」


「えー本気で京ちゃんって顔からは想像できないほどの毒舌だな〜。俺なんか竹田先輩よりマシじゃん」