地上のモグラと、底が抜けたコップ

「なにー?菊馬?喧嘩したらしいやん?」
「喧嘩って、トモ、またどこで聞いたん?なんか桜ちゃんとはモヤモヤした状態なのは事実だけど、殴り合いとかしてないから!」
「は?桜介?殴り合い?確かにアイツ頬腫れてたしな、でも俺が言ってんのは飲み会だぞ、お前が酔っちゃったやつ笑、桜介が先輩を怒ったみたいな笑?高田が言ってた」
「高橋です!でもまーバドミントンサークルに入らないならいいんじゃないですかね、あれは先輩方が悪かったですし、」
「そうなんだ、で、菊馬、桜介とその後なんかあったん?アイツへこんどったで?」
「なんか、トモ、桜ちゃんと仲良くなってない?、、桜ちゃんには心配かけたくないんよ。俺のせいで怪我させちゃったし、」
「知らんけど、桜介はお前が避けとるせいで元気なかったよ?」
「あははっーそうなんだ?やっぱすげーなー。
3人で話していると、桜ちゃんの話し声したが気がつかないフリをして、2人は合わせた。
「桜ちゃん、俺がいんくても元気やん。」
「桜介くんあのルックスと優しさで人が寄りつかないわけないですもんね」
「あれ、隣にとてつもない美女いますねー」
「あーあれ一個上の去年グランプリ一位の美空(みそら)先輩だよ、ありゃー同い年だし、美男美女やな、」
朝ドラの主演を飾れるような組み合わせなのは否定はしないが、わけもなくとび出したくなった。
「ふんっ、」
「あれ、菊馬くん拗ねてますか?」
「拗ねてねーよ!」

数日後ー。
「トモヒロくんあの2人またカフェテリアで2人きりですよ。」
「どうやら、2人とも文学部で成績優秀らしい。なんか、人間として負けすぎてる気がする。」
「べ、別に、桜ちゃんが誰といようと関係ないけど、桜ちゃんあー見えて女子に囲まれても彼女作ったことないし、、」
「え、ないのー?!」
「しー2人とも声がでかい!」
桜ちゃんと美空先輩が動いた。
「ふ、2人動きましたよ」
3人は隠れながら動いた、人ごみが3人の行手を阻む。
「やべー、見失った、」
「どこでしょうか」
「あれー、菊馬も迷子じゃん、どこ言ったきくまぁー」

(やばー、2人と離れたし、桜ちゃんたちも見つかんない)
「わっ、」
目線が宙に舞いそうになった。
「菊!っ」
しかし鍛え抜かれた中でも柔らかなタッチで暖かな手が僕を支えた。
「桜ちゃんっ、なんで、」
「菊、お前あんま見えてないんだか、人ごみなんか、特に気をつけてよ。」
僕は全身が熱くなった。
「桜ちゃんのくせに、かっこつけて、もう、離せよっ」
「いや、離さない、菊、分かってないから、、、分かってないよ」
「い、いつから、こんな男前なこと言うようになったんだっ」
僕は無理やり払い除け、穴に逃げるように姿を急ぎ足でくらませた。
「分かってないよ、菊は、俺の気持ち」
桜ちゃんはぼーっとしてた。