子作り

陽介は結婚している。

母方の、知り合いで、眞子という人がいた。
その縁で、結婚まで到っている。

そして、子どもと、一緒に暮らしている。

2歳になっている。

そこに愛はあるが、子育てに、追われ、
レスになっている。

そういうものが、
陽介には、不自由を感じさせる。

それでも、子どもを育てる、眞子の、優しさに触れ、
ちゃんと、母の愛を、与していると思っている。

「浮気でもしてしまおう」

思うに、自分に愛情が注がれていないという陽介の、
孤独が、ある。

そこで、不埒にも、人妻に手を出す。
そういうのは、もっとも、相手ありきのこと。

旦那の欲求不満が、あった麻子と不倫する。
そして、取り残された眞子は、
陽介を、突き詰める。

「あなた、浮気しているのね」

そこで、眞子は、もういいとばかりに、
子どもを連れて実家へ帰る。

そして、陽介は、弁明して、
「自殺だけはするな」
と言う。

俺もどうすればいい?か分からなかった。
とほざく。

思うに、二人は、子育てが、難しくなっていると。
二人に取って初めての、子であり、
それが、理想とばかりにはいかなかったわけだ。

それから、3歳になる頃、
眞子から突然の電話が入る。

「今帰る」

「俺も頭を冷やしたよ」

育児に没頭する中で、
また愛を紡ぎ始める。