ゼロ距離幼馴染が恋に落ちてくれるまで

俺がコイツ、華乃を気になりだしたのは
いつだっけ?多分、小学生の頃だ。
その頃から華乃はよく見れば可愛いという部類で
控えめで、言いなりになるようなタイプだった。
特に酷かったのは小学5年生の頃。
それよりもずっと前から俺たちは一緒にいた。
自分で言うのはアレだけど、俺は人気がある。
ずっと前から一緒にいたのに俺の人気が出始めたあたりから前までは空気扱いだった華乃は「俺に近づく邪魔者」だといじめの標的へと変わっていった。
華乃が俺に助けを求めることはなく、そんなことされているなんて、考えずに過ごしていた。
華乃が変だと気づいたのは6年生の頃。
華乃の周りには萌香しかいなくて、
気づいたのが遅いと分かった、華乃に喋りかけても
あの時みたいに「あ〜くん」なんて呼んではくれない。
「華乃、少し話がある」と話しかけても
「ごめんなさい、市原くん忙しくて」なんて言われた。
名字で呼ばれることなんてなくて、自分ではない、なんてことまで考えた。この時に俺はコイツが好きなんだな
と他人事のように思った。
その時ぐらいからだろうか、家は隣同士なのに
会うことも少なくなり、学校でも話す機会は無くなっていった。中学に入ってもその関係のままだった。