元彼の蓮と出会ったのは、
家の近くにある小さな公園だった。
田舎で、
遊具も少なくて、
夕方になると人がほとんどいなくなる場所。
その日、私はいつもの散歩の途中で、
ベンチに座っている男の人に目を奪われた。
タンクトップ姿で、
首にタオルをかけて、
汗を拭いている。
引き締まった腕と腹筋。
息を整えながら、
空を見上げる横顔。
――かっこいい。
思った瞬間、
心臓が変な音を立てた。
「あの……」
気づいたら、
声をかけていた。
蓮は少し驚いた顔をして、
それから気まずそうに目を逸らす。
「……なに?」
ぶっきらぼうなのに、
どこか照れた感じ。
「ランニングですか?」
それだけ聞くのが精一杯だった。
「ん、部活の自主練」
聞けば、
蓮はバスケ部。
噂で少し聞いたことがあった。
モテるけど、
女の子とはあまり話さないらしい。
私は、
カワイイ系だとよく言われるボブヘアで、
誰とでも話せるフレンドリータイプ。
よく告白もされてるから、男の子との会話は少し自信があったのに。。
頭が真っ白になった。
「結衣って言います」
名前を言うと、
蓮は一瞬だけ私を見て、
すぐに目を逸らした。
「……いい名前じゃん」
会話は弾まない。
でも、
耳まで赤くなっているのが分かった。
後で知ったけど、
あの時、蓮もほとんど一目惚れだったらしい。
何度か公園で会うようになって、
気づけば一緒に帰るようになって。
告白は、
蓮のほうからだった。
「……付き合わない?」
短くて、
不器用で、
真っ直ぐな一言。
私は少しだけ笑って、
頷いた。
あの頃の私は、
この恋が
ずっと続くと信じていた。
家の近くにある小さな公園だった。
田舎で、
遊具も少なくて、
夕方になると人がほとんどいなくなる場所。
その日、私はいつもの散歩の途中で、
ベンチに座っている男の人に目を奪われた。
タンクトップ姿で、
首にタオルをかけて、
汗を拭いている。
引き締まった腕と腹筋。
息を整えながら、
空を見上げる横顔。
――かっこいい。
思った瞬間、
心臓が変な音を立てた。
「あの……」
気づいたら、
声をかけていた。
蓮は少し驚いた顔をして、
それから気まずそうに目を逸らす。
「……なに?」
ぶっきらぼうなのに、
どこか照れた感じ。
「ランニングですか?」
それだけ聞くのが精一杯だった。
「ん、部活の自主練」
聞けば、
蓮はバスケ部。
噂で少し聞いたことがあった。
モテるけど、
女の子とはあまり話さないらしい。
私は、
カワイイ系だとよく言われるボブヘアで、
誰とでも話せるフレンドリータイプ。
よく告白もされてるから、男の子との会話は少し自信があったのに。。
頭が真っ白になった。
「結衣って言います」
名前を言うと、
蓮は一瞬だけ私を見て、
すぐに目を逸らした。
「……いい名前じゃん」
会話は弾まない。
でも、
耳まで赤くなっているのが分かった。
後で知ったけど、
あの時、蓮もほとんど一目惚れだったらしい。
何度か公園で会うようになって、
気づけば一緒に帰るようになって。
告白は、
蓮のほうからだった。
「……付き合わない?」
短くて、
不器用で、
真っ直ぐな一言。
私は少しだけ笑って、
頷いた。
あの頃の私は、
この恋が
ずっと続くと信じていた。
