先輩たちがどんな反応したかはわからないが、きっとその場にいた人たちはみんな穏やかな性格だったから、話が変な方向へ行くことはなかっただろう。
とはいえだ。
「……私、新がそう口にしているのを聞いて、すごくショックだった。もちろん、自分でもそういう格好が似合わないことはわかっていたけど……なんていうか、そういうことじゃなくて……仲がいいと思っていた新に影であんなこと言われていたのが、ショックだった」
傍から見れば、小さな事かもしれない。けれども私にとっては、新のあの発言はとてもショックなものだった。
自分の感じたことを、素直に口にすると、新が私の頭に手を添えコツンと額を合わせてきた。
「もしかして、俺への風当たりが強くなったのは、そのせい……?」
急にそんなことを尋ねられた。
私は、少しためらったあと、正直に頷いた。



