呼吸が乱れ、鼓動が壊れそう。
やがて、頭の中が真っ白になってきた頃、解放されて――
「……これで、わかった?」
唇が離れて、新が小さくつぶやく。
はあ……と乱れる呼吸。
混乱して、うまく言葉が発せなかった。
「な、なんで……」
――心が、追い付かない……どうして、こんな……
新は腕の中の困惑する私を見ながら続ける。
「俺は出会ったときからずっと神山に惚れてる。お前は俺のことひとつもそんな対象として見てないし、それどころかここ数年は避けられてて、どうにかこの距離を守るくらいしか出来なかったけど――〝婚活イベントに行く〟なんて聞かされて、黙っていられるかよ」
はっきりと言葉にされて、心が熱く震えるのを感じた。



