美希は呆れてため息つく私に構わず、さらりと週末のことを念押してきて(プラス聞いてもない情報まで入れてきて)、そのまま電話を切っていった。
……もう、隙あらば、恋愛させようとしてくるんだから。
心配しているのだろうけれど、可愛くて前向きな美希は、私にはたまに眩しすぎる。
美希の言ったように、三年前、先輩と深いりする前にうちに別れておいてよかったと思うし、次の恋愛をしたくないわけではない。
けれど、どうしても三年前の一連の出来事が尾を引いていて、なかなか前向きになれないのだ。
【〜〜〜♪】
そんなことを思いながら、残りの缶ビールを煽ったとき、話し終えたばかりのスマートフォンがまた着信を刻んだ。
――美希、なにか言い忘れかな……?
私は確認せずにタップしてスマートフォンを耳に当てた。
「もしもし、美希?」
【……あ、いや、伊師川だけど】
「――っ!?」



