【――で、その漬物をくれた、イケメン同期のことは、まだ嫌いなわけ?】
美希は話題を一転し、尋ねてくる。
私はその急な話題変換に、怪訝そうな声が出てしまった。
「何でそんなこと聞くの……?」
美希には先輩とのことはもちろん、新とのこれまでのことも、話していた。
別に新のせいで破局したわけではないが……
あの一言を聞いて以降、それまで同志だと……親友みたいに仲が良かった新から、私はそっと距離を置いてしまった。
なんていうか、心が、今まで通りに接することが出来なかった。
けれども新は、私が距離を置いていることにすぐ気づいただろうに、昼間に社内で土産を渡してきたときみたいに態度を変えずに接してくる。
私が避けるせいで、ふたりで飲みに行くことも、電話をすることも、昼休みに一緒に過ごすことも、会話も自然と減っていったが、彼のほうから距離を取ろうとする様子はなかった。理由はわからないけれど。
それを聞いている美希は、いつも過去の恋愛話のあとは、決まって新の話を持ち出して私をからかうのだ



