不仲の同期が、私の婚活を邪魔しにきた件について!



 ◇◇◇

 
 ――入社したの頃の私は、新と一緒に過ごすのが楽しくて、まるで性別を超えた親友のようだったと思う。
 
 新と初めて話したのは、この会社の面接へ向かう途中だった。

「すみません、ちょっと道を尋ねたいんですが……?」

 バス停を降りたばかりの私に、困ったように尋ねてきたのが新だった。
 地方から出てきたばかりらしく、まだ垢ぬけていない。けれど、誠実そうな眼差しと整った顔立ちは、その頃から十分に印象的で、ドキドキした。

 長身でクールかつ落ち着いた雰囲気の私は、いつも年上にみられることが多い。彼も私のことを自分より年上の社会人か何かだと思ったのだろう。
 新の目的地を聞き、同じ会場へ向かうことを伝えると、とても驚いていた。

『すごく綺麗で見惚れたから、この人に聞いてみようと思ったんだ――』

 照れくさそうにそう言われて、驚いたけれど嬉しかった。新は昔から、さりげなく人を喜ばせるのが上手い。