[……もしもし?東口ってとこにいるんだけど]
『知ってる?この駅の東口って東西南北あるんだよ』
[え!?いや東京えぐ…分からんて…]
『迎えに行くから東口のどの方角か教えて』
[えーっと、東口(北)かな…?]
スマホを耳に当て通話しながら、私は駅の中を歩いていく。
思い出よりも大人になった彼を探して。
身長の高い彼のことだ、頭ひとつ他の人より抜けているから分かりやすいだろう。
そう思っていれば、予想通りの彼の姿が目に入る。
通行人と違い防寒具を着込みすぎなのは寒い地元から出てきたからだろう。
『ああ、いたいた。ほら後ろだよ』
[え、あ……!]
スマホを耳から離し、向かい合う。
『久しぶり』「久しぶり」
第一声が被ってしまい、思わずお互い笑い出した。
過去とは違う今の、ありのままの私を君に見せようと思う。
今なら一緒に笑いながら値引きされていないケーキをきっと食べられるから。
たとえそれが君に受け入れられなくても。
それが私というものだから。
『知ってる?この駅の東口って東西南北あるんだよ』
[え!?いや東京えぐ…分からんて…]
『迎えに行くから東口のどの方角か教えて』
[えーっと、東口(北)かな…?]
スマホを耳に当て通話しながら、私は駅の中を歩いていく。
思い出よりも大人になった彼を探して。
身長の高い彼のことだ、頭ひとつ他の人より抜けているから分かりやすいだろう。
そう思っていれば、予想通りの彼の姿が目に入る。
通行人と違い防寒具を着込みすぎなのは寒い地元から出てきたからだろう。
『ああ、いたいた。ほら後ろだよ』
[え、あ……!]
スマホを耳から離し、向かい合う。
『久しぶり』「久しぶり」
第一声が被ってしまい、思わずお互い笑い出した。
過去とは違う今の、ありのままの私を君に見せようと思う。
今なら一緒に笑いながら値引きされていないケーキをきっと食べられるから。
たとえそれが君に受け入れられなくても。
それが私というものだから。
