『いちかさんとは連絡は取ってますか』
「あの子ったら全然連絡取れないようにしてるの。可愛くない子よねえ」
「友達の姉ちゃんはお年玉とかくれるらしいのにさ」
『そうですか。……長居してしまってすみません。そろそろお暇します。ぜひ良いお年を』
「あら、ご飯くらい食べていったらいいのに……」
引き留めようとするいちかの母を丁重に断り、玄関を出た。
気分が悪い。今までの人生で、これほど悪意に満ちた………、いや。本人たちに悪意という自覚はきっとない。悪意のない悪行が、こんなにも悍おぞましく気分が悪いものであるのを、生まれて初めて知る。
もう、ダメだ。いちか、俺は今まで君を無意識に傷つけていたのかもしれない。だから別れようと言ったんだろう。
「あの子ったら全然連絡取れないようにしてるの。可愛くない子よねえ」
「友達の姉ちゃんはお年玉とかくれるらしいのにさ」
『そうですか。……長居してしまってすみません。そろそろお暇します。ぜひ良いお年を』
「あら、ご飯くらい食べていったらいいのに……」
引き留めようとするいちかの母を丁重に断り、玄関を出た。
気分が悪い。今までの人生で、これほど悪意に満ちた………、いや。本人たちに悪意という自覚はきっとない。悪意のない悪行が、こんなにも悍おぞましく気分が悪いものであるのを、生まれて初めて知る。
もう、ダメだ。いちか、俺は今まで君を無意識に傷つけていたのかもしれない。だから別れようと言ったんだろう。
