最低な彼氏と別れる方法/最愛の彼女と復縁する方法

暖かいリビングに通されると、そこには若い男性がいた。



「え、誰?」

「いっかの彼氏さん」

「いっかの?へー、都会っぽい人」

「この子はいっかの弟の信幸(のぶゆき)

『初めまして』

「どーも。つってもいっかのやつ、帰ってこないけどな」

「ほんっと、親孝行くらいしてほしいわね」



いちかは社会人になってから一切帰ってきていないらしい。

けどいちかからは実家の話や小さい頃の話は聞いたことがないため、それだけでも少し知りたい。好きな人の幼少期はどんな感じだったんだろう。

平家ではあるが、リビングは広く部屋の数もあるようだった。食器棚には子供の写真が飾られており、実家っぽいなあ、俺の実家にもこういうのあるな、なんて思う。