最低な彼氏と別れる方法/最愛の彼女と復縁する方法

違和感を覚えたのは、付き合って三度目のデートの時だった。

映画館を出て予約している飲食店へと歩いている道中、いちかがふらついて倒れそうになり慌てて引き寄せたことがある。



『だ、大丈夫だった!?どうかした?』

「あ、すみません…ちょっと寝不足が続いていたせいかもしれないです」

『え、具合悪かった?ごめん、今日は解散しようか。送っていくよ』

「でも予約してるんですよね」

『そんなの良いから、送るよ』

「大丈夫です。イタリアンですよね、行きますよ」

『でも、具合悪いんだよね』

「そうですけど、なぜ?」



キョトンとした顔で、そんな疑問をぶつけられた。

自分の具合が悪いから解散する、という意味がわかっていないようだった。

俺としてもどう反論して良いのか分からず、本人が言うなら、とそのままご飯を食べてから解散した。家まで送っていくというのも固辞されたから諦めた。