「こういうのは女の方が負担がでかいんだから、良いんだよ。嫌なら断って」
「だから嫌ってわけじゃ……」
そこだけは勘違いしてほしくなくて食い下がれば、海里は困ったように眉を下げ、「あーもう、だから……」と顔を上げた。
「そんなこと言うなら、俺、すげー優しくするよ?」
「え?」
「南萌が痛くないように。お前の不安は全部取り除く」
「……っ、」
すごく高価なものを撫でるみたく頬を擦る手のひら。私を見つめる欲求まみれの熱い瞳。
彼の優しさは余裕から来ているものではないとようやく伝わった。沢山の我慢と思いやりによって……彼は今、私を抱きしめている。
「なぁ……南萌は、シたい?シたくない?」
「……それ、は」
「俺は、お前がしたいって言ったらするよ?」
「海里、……」
パーティーの前、キスを寸止めされたときと同じセリフ。
私に選択を委ねるなんて狡いって思っていたけれど……きっとそれは、私が立ち止まるきっかけを与えてくれる彼の優しさだ。
「……まだ、怖い」
恐る恐る口にすれば、「ん、分かった」と初めから分かっていたようにあっさり答えて頭を撫でた。
「お前が俺とシたいと思うまで待つ」
「……」
そう言いながら私の横に寝転がると、持ち上げた腕を私の頭の下に潜り込ませる。
これまた初めての腕枕に赤面する私を覗き込むのはイタズラな微笑み。
頬をむにっと摘まれて、「なに……?」と口を尖らせて尋ねれば、指を離して今度は愛おしそうに摘んでいた場所を撫でた。


