何度も角度を変えて重なり合う唇は熱くて柔らかくて。優しく吸い上げるように這われるたび、キュッと下腹部が疼いてたまらなくなる。
「南萌、舌出して」
「こ、……こう?」
言われたとおりにベッと舌を垂らせば、クスリと笑った海里がすかさずそれを口内に含んだ。
息をする隙間もないほど、ぴっちりと合わさった舌と舌。
はぁっと、吐息を漏らしながら薄く瞳を開けば、彼の瞳も私と同じくらい蕩けていたからなんだか安心した。
「んぅ、……ぁう、」
「鼻で息しろよ」
「やだ、……ん、海里に息かかる」
「かければいいじゃん。全部吸い込んであげる」
「っん、やぁ、」
鼻先をカプリと甘噛みされ、思わず身を縮めれば、してやったりと意地悪く上がる口角。
自分ばっかり余裕な彼が悔しくて、私も一矢報いようと彼の肩に手をのせる。
「ばかいり」
「……っ、」
「お返し」
「な、……」
鼻から抜ける甘い声を出しながら、噛みついたのは彼の薄い頬。
噛み付いたは良いものの、痛かったかなって少しだけ罪悪感が湧いて、お詫びとばかりにチュッとそこを吸い上げてから離れると、海里は片手で顔を覆って「お前なぁ……」と呆れた目で私を見る。
「やられたらやり返すがモットーなの」と得意げに言い返せば、彼はふはっと破顔して私の腰を抱き上げた。
「じゃあ俺も、さらにやり返す」
「わっ、」
「煽った責任、自分で取れよ?」
「……ぅむ、」
下唇を噛んで引っ張られた。チュプッと音を立てて離れると、すぐに私も同じように海里の唇を歯で引っ張って。
そんなことを何度も繰り返して、結局また深く舌を絡めあう。
気分はじゃれ合う子犬。恥ずかしさはとっくに麻痺して、気持ちいい、楽しい、ってこの部屋に充満しているのはただそれだけだった。
麻薬とかって……こういう感じなのかもしれない。
気分が高揚して、彼が触れるところ全てが熱くて気持ちがいい。
もっと……繋がりたい。もっともっと深く、海里の味を知りたいと。何度も何度も唇を重ねあうのにそれでも足りなくて、またキスをした。


