遅ればせラブアフェア




グッと力強く肩を掴まれ、助手席のシートに押さえつけられる背中。不意のことで驚いてポカンとしていると、すぐに心配そうな顔が近づいてきた。


「悪い、大丈夫か?」

「え、あ……うん。全然」

「……よかった。くそ、あいつ急に飛び出してきやがって」

「……」


……び、っくりした。咄嗟の行動だったのかもしれないし、ここにいるのが私でなくても同じことをしていたのかもしれない。でも……


(やばい……肩、あっつ……)


使用人以外の男の人にあんな風に守られたことなんてないから……軽率にドキッとしてしまった。


(あー……もう、なんなのよ。本当に……!)


先週末のアレからまだ一週間も経っていない今。

必要以上に海里を意識してドギマギしてしまう自分が嫌で仕方ない。対して、あの出来事丸ごとトイレに流してきました、みたいにしれっとした顔をしている海里が腹立たしい。

とにかく……気まずい気まずい気まずすぎ!!!

……こんな気持ちが7割で、つまりは今の私の感情は総じて海里が占めている。とにかく不快極まりない状況なのである。