カモフラなのに溺愛されても困ります!

でも、やっぱりお嬢様と呼ばれるのは恥ずかしい。

そう思いながら、柴田さんに案内されておじいちゃんの元へと向かう。


「おお、来たか、楓」

「おじいちゃん、久しぶり。最近、忙しいって聞いてたけど、体調は崩してない?」


おじいちゃんの部屋に入ると、私を見たおじいちゃんは椅子から立ち上がって優しく微笑んだ。


「ハハハ。まだまだ若いもんには負けてらんないからな。それに、健康だけがワシの取り柄だからな。さ、座りなさい」


おじいちゃんに促されて私はソファに座る。


「まずは、楓。大学合格おめでとう」

「ありがとう。無事に内部進学を決められたよ」

「うんうん。一族みんな優秀で何より。……ところで楓。大学合格を機に話を進めたいと思ってな」

「話を進めたい……?」


何の話?

私が不思議そうに首を傾げると、おじいちゃんは目を細めて微笑んだ。


「ああ。お前の結婚の話だよ」

「……ん?」


お前の……結婚の話……?