カモフラなのに溺愛されても困ります!


「楓のおじいちゃんの事だから、やっぱり合格おめでとうって言いたいんじゃないかな?」

「うーん、そうだよね」

「ごめんね、引き止めて。カラオケはまた今度行こ?」

「うん、ありがとう。そのうちみんなで一緒におじいちゃんちに合格の報告に行こうね」


愛莉も彩羽も琴音も私と一緒の学部に内部進学が決まってる。

また一緒に過ごせると思ったら、今からすごく楽しみでならない。


「あはは。おじいちゃん、パーティーしそうだよね」

「おじいちゃん、昔からパーティー大好きだからね」


愛莉が笑いながら言ったので、私も噴き出した。

よくホームパーティーやって、会社の人を家に呼んでたと思う。

だから、従姉弟だけじゃなくて何人も同じくらいの子と遊んだ事がある。

今じゃ、どこの誰だか覚えてないくらいだけど。


愛莉と別れて、校舎を出たところで黒塗りの車が一台、私の前で止まった。

運転席から降りてきた男の人が私に頭を下げて、ドアを開ける。


「楓お嬢様。お待ちしておりました」

「……お嬢様なんてやめてくださいよ、藤崎さん」

「いえいえ、私からしたら、お嬢様ですよ」