カモフラなのに溺愛されても困ります!

両家の親同士は和やかに話しているけれど、私も朔夜さんも黙ったまま、料理を口に運んでいるだけだった。

彼の食べ方はかなり品があって、当たり前だけど箸の使い方も完璧。

私は、帯のせいであんまり食が進まない。

実況中継したいのに当たり前だけど、スマホは取り出せないし、どうしよう?


「なんだか、私たちばかりしゃべってるわね」

「せっかくだから若い二人で庭でも見てきたらどうかな?」


西園寺夫人が言うと、西園寺社長が笑いながら提案する。

……いや、二人きりの方がもっと気まずいんですが!

その提案に彼が私の方を見た。


「もしよろしければ、いかがですか?」


その申し出に私は小さく頷いて、彼の後について部屋を出た。


廊下を抜けると、庭園へと続く石畳の小径が広がっていた。

真っ赤に染まった紅葉が、秋の陽射しを受けて燃えるように輝いている。

足元には、散った葉が絨毯のように敷き詰められていた。

草履で石を踏むたび、カツカツと音が鳴る。