カモフラなのに溺愛されても困ります!

そんなに格式高い料亭でお見合いとか、有名人に会いに行くような感覚で行っていい場所じゃない。

「……楓、大丈夫なの?」

「大丈夫じゃないよ。破談するってわかってて、何で行かなきゃいけないのか謎なんだけど。こっちにその気がなくても、やっぱり断られたら凹むじゃない?」

「確かに相手は西園寺だしね……。でも、だったらお見合いにすら来ないんじゃない?書類審査は通ったって事じゃないの?二次審査は面談です、みたいな」

「オーディションじゃないんだから……」


彩羽の言葉に私は盛大にため息をついた。


「……西園寺にとってはオーディションだと思うのよ。有能な企業と関係結んでいきたいじゃない?それに、西園寺グループに嫁に行けば、死後も安泰」

「死後も安泰って、いいじゃない。楓ちゃん頑張っちゃいなよ」

「琴音、そんなノリで言わないでよ」


なんか器じゃないのに、見定められなきゃいけないのがなー。

こんな品格無い奴を選ぶかって。

モヤモヤしている私の背中を叩いて、愛莉は微笑んだ。