「こんにちは」
大きなカバンを持って、そう言いながら笑う彼女の髪が、肩で揺れた。
***
「どうぞ、お茶しか出せないんですが…」
「あら、お構いなく」
買っておいたペットボトルの緑茶を、来客用のグラスにそそいで二人に出した。
外で話すのも目立つだろうから、家に上がってもらっちゃったけど…これでよかったのかな。
友達ドールを知っていたから、つい反応してしまった。
ソファに座る二人をチラリと見た。
家を見渡しながら、楽しげに会話をしている二人に少しずつ緊張が薄れていく。
あの女の子…やっぱり、夢の中にいたドールにそっくりだ。
まじまじと眺めていると、私の視線に気づいたのか女性…エリスさんが私を見た。
「この子は気に入っていただけましたかしら?」
「えっ…な、何をですか…?」
「ふふ…林田 奏様、あなた様の“友達ドール”のことですわ」
「……!……」
息をのんだ私に、エリスさんが微笑む。
絵画のようなうっとりする程に完璧な笑みだった。
エリスさんは隣に座る女の子の肩に手を置く。
女の子は優しい瞳で私を見つめていた。



