友達ドール2



「こんにちは」


大きなカバンを持って、そう言いながら笑う彼女の髪が、肩で揺れた。



***


「どうぞ、お茶しか出せないんですが…」


「あら、お構いなく」


買っておいたペットボトルの緑茶を、来客用のグラスにそそいで二人に出した。

外で話すのも目立つだろうから、家に上がってもらっちゃったけど…これでよかったのかな。

友達ドールを知っていたから、つい反応してしまった。

ソファに座る二人をチラリと見た。

家を見渡しながら、楽しげに会話をしている二人に少しずつ緊張が薄れていく。

あの女の子…やっぱり、夢の中にいたドールにそっくりだ。

まじまじと眺めていると、私の視線に気づいたのか女性…エリスさんが私を見た。


「この子は気に入っていただけましたかしら?」


「えっ…な、何をですか…?」


「ふふ…林田 奏様、あなた様の“友達ドール”のことですわ」


「……!……」


息をのんだ私に、エリスさんが微笑む。

絵画のようなうっとりする程に完璧な笑みだった。

エリスさんは隣に座る女の子の肩に手を置く。

女の子は優しい瞳で私を見つめていた。