“犯人が見つかったら”___。
その言葉に私は立ち止まる。
そしてひなたに向かって、こう言った。
「殺すよ」
静けさが、辺りを包む。
ハッキリとしていた、私の覚悟。
雛を殺した犯人を、絶対に許さない。
逃がさない。
絶対に。
「そっか」
ひなたは同様する素振りも見せず、いつも通りの穏やかな笑顔を見せた。
「それじゃあ、そのときは私も協力するね」
その言葉で確信した。
『友達ドール』は…ひなたは、私を否定しない。
どんな私でも、受け入れてくれる。
そばにいて、いつも誰よりも味方でいてくれる。
私の中で、ひなたへの信頼が確固たるものになった瞬間だった。
***
家に帰り、いつも通りに過ごしてお父さんの帰りを待つ。
夕ご飯はひなたが作ったカレーライスを食べ、それぞれ順番にお風呂を済ませた。
歯を磨き、お父さんが先に就寝する中。
「…これもダメ…違うみたい」
夜、私とひなたは自室でスマホとにらめっこをしていた。
パスワードの答え…そのヒントである『花』の名前が分からない。
花の名前を打ち続けて、もう何時間になるだろう。
一般的に思い浮かぶ花の名前は一通り試してみたけど…どれも違っていた。
睡魔が襲ってきて数回目のあくびを必死に噛み殺す。
「奏ちゃん…そろそろ寝なきゃ」
ひなたがスマホに表示されている時刻を指差した。
すでに日付も変わっている。
このままでは朝になってしまう。
私はため息を吐いてその場に寝転んだ。
畳の独特な香りが鼻をくすぐる。
「パスワードの答え…何なんだろう…」
その言葉に、ひなたが首を傾げた。



